七尾百合子と地球儀にない国
お疲れ様です。はらしです。
今回は THE IDOLM@STER MILLION LIVE! M@STER SPARKLE 01 にて七尾百合子さんが歌っている「地球儀にない国」について綴りたいと思います。
地球儀にない国は
「七尾百合子が主人公となりファンタジー小説内を冒険する」
という楽曲です。本のお話ですので、「主人公となったつもりで〜」の表現の方が正しいのかもしれません。しかし、妄想家で物語に入り込むことが得意な彼女目線で考えると「主人公となり」の表現の方が適切と言えます。
透明なプロローグと空想文学少女との明らかな共通点は本を用いていることです。それにも関わらず、七尾百合子の多面性がそれぞれの楽曲で上手に表現されており魅力的に感じました。
その2つの楽曲についてはまた遠くないうちに書きたいですね。
歌詞は冒険中の出来事がわかりやすく比較的ストレートに描かれているので、正直書きたいことはそこまで多くないかなと。(この時までは思ってました)
1番
「25ページでワープできるはず」
そのままです。読書に没頭して周りが見えなくなることを表しています。本を読み慣れてる彼女なら、どのタイミングでワープできるか予測できても不思議ではないですね。
そして彼女は「囚われの王子」を救いに行く冒険をするのでした。
2番のサビ
「愛は魔法 さぁ鍵は開くよ」
このすぐあとに王子を助け出すことができ、ここで彼女の冒険は終了します。王子を救うことができたのはもちろん嬉しいこと。しかし、王子と出会うことは冒険、小説の終わりを意味します。それが「(彼女の)孤独なまなざし」、「(王子と)見つめ合ったせつなさ忘れない」に表れています。
Cメロ
「風の戦士は帰る 地球儀にない国 大陸を旅して もいちど行きたいな」
考察最大の山場ですね。
「風の戦士」とはこの場合は七尾百合子のことです。根拠としては少し弱いですが、リスアニの本に明記されてました。
↑楽曲や作曲陣のコメントなどもりもりの内容です。
「風の戦士は帰る」とは七尾百合子が没頭(ワープ)していた小説の世界から現実世界への帰還であり、大陸を旅してまた地球儀にない国に行きたいということは、地球儀にない国とは内容を忘れてしまったお気に入りの小説(=この曲で七尾百合子が読んでいる小説)、大陸とはそれ以外の小説と考えるのが自然ではないでしょうか。つまり、ほかの様々な小説を読み、月日が経って忘れかけてしまった頃にまた、このお気に入りの小説を読みたいと解釈できます。
(ここから本編)
ここまで書いてきましたが、少し見る角度を変えて考えてみましょう。というのも、先日たまたま見たPrincess Be Ambitious!!のイベントコミュにて、七尾百合子の気になる発言を見てしまったからです。それがこちら↓
「私はまた見たい、もっと一緒に冒険したいって思ってもらえる、そんな物語の主人公のようなアイドルになりたいです」
なるほど。ん?物語の主人公のようなアイドルになりたい?
私は冒頭に、地球儀にない国は七尾百合子が小説内を物語の主人公となって冒険する曲だと述べました。
もしかして地球儀にない国は、七尾百合子の理想のアイドル像やアイドルとしての成長過程を描いた曲なのではないか?という可能性が浮上してきました。これは透明なプロローグとの関連性が出てくる可能性もある大問題です。
ちなみに別コミュでも同じような発言をしています↓
七尾百合子のメモリアルコミュ1です。やはり彼女は本の中軸となる人物に憧れを抱いているようです。
ソロ曲ですからね。七尾百合子のアイドルへの想いが詰まっていてもおかしくありません。
という訳で別視点から、もう一度歌詞をピックアップして考えてみたいと思います。
1番に出てくる「白いペガサス」。これはプロデューサーのことではないでしょうか。白いペガサスに乗ってエメラルドの海原を飛び越えるように羽ばたいたり、兵隊が眠る間を駆け抜けたりする様子は、七尾百合子がプロデューサーと楽しくお仕事をこなしたり、時に助けられながら困難を乗り越えたりすることを表していると考えます。
羽を持つ馬であるペガサス(プロデューサー)が七尾百合子に普段見ることの出来ない素敵な景色を見せている。そう彷彿とさせる歌詞に思えてきました。
こういった本での出来事と現実での様子が繋がって見えてきましたよね。それが「光る時空の壁 突き抜けて」となります。
はい次
たびたび出てくる「きみ」とは王子のことであるのと同時に、七尾百合子の憧れの人物やアイドルとしての目標地点であると推測できます。詳しく見ていきましょう。
「きみを捜しに行く」。探すと捜すの違いは
「捜す」は、確実に実在するもの(既知のもの)を見失ってさがすときに使う
「探す」は、実在するかどうかわからないもの(未知のもの)をさがすときに使う
らしいです。〈https://www.kotobano.jp/archives/1423〉
七尾百合子はペガサスに連れられて様々な経験をして成長していきます。しかし、ペガサスの力だけでは当然一直線には成長できません。目標や憧れがあるからこそ次のステップが存在する訳で、常に捜さなければならない対象です。これは七尾百合子やアイドルに限らず当てはまることです。
そしてこの目標や憧れ(=きみ)は「なりたいわたし」と言い換えてもよいのではないでしょうか。
どっかのプロローグで見たことある歌詞ですね。
次
2番に出てくる「蒼いフクロウ」。私が調べた限り蒼いフクロウは実在しないようです。しかしフクロウは縁起のいい動物であり、私は劇場の仲間の比喩であると考えます。よって歌詞にある蒼いフクロウが城壁の向こうを合図しているのは、劇場の仲間に助けてもらいながら七尾百合子が成長している様子になります。
1番にプロデューサー、2番に劇場の仲間を登場させることによって、「七尾百合子の成長過程を描いた曲」という新たな説に近づきましたね。個人的にはこちらを推していきたい。
さて、ラスボスです。私の頭の中ではドラクエIIIのゾーマ戦のBGMが流れています。
- 風の戦士はどこへ帰ったか
- 地球儀にない国とは何か
この2つですね。前半部分の考察では何なのか述べましたが、あれではこちらの考察に当てはめることができません。
〈https://maumarutime.azurewebsites.net/index.php?text=%E3%82%84%E3%81%9F%E3%82%86〉
この謎を解く手がかりは3箇所の歌詞にあります。
- 愛は魔法 さあ鍵は開くよ
- きみ
- 夢の中で そう出逢った人に
愛はアイドルが大好きだという気持ちを表しています。それ故に七尾百合子は夢の中でとある人に出逢うのです(出逢う=鍵は開く)。その人がきみです。きみとは先ほど七尾百合子の憧れの人物だと書きましたが、ここでは未来の七尾百合子のことを指しています。ごちゃごちゃになってしまったので、簡潔に繋ぎ合わせます。
七尾百合子は夢の中で未来の自分に出逢います。未来の彼女はとても輝いていて、まさに自分の目指していたアイドルそのものでした。
しかし、永遠に見続けられる夢はありません。目覚めてしまったり、夢の内容を忘れたりしてしまいます。そうです。風の戦士は現実世界に帰ってきたのです。
では地球儀にない国とは何でしょうか?
風の戦士(=七尾百合子)は夢を見ました。そこには未来の自分の姿があり、アイドルとしてキラキラと輝いていました。しかし、その光景はすぐに終わり見れなくなりました。
…と、解釈してきました。ここからさらに考えを深めていきます。
地球儀にない国。普通はどうやっても行くことのできない場所。でも彼女なら行けるのです。そう、妄想で。体では行けなくても心では、妄想では自由に行くことができるのです。(上記の考察は夢の中ではなく妄想で未来の自分に出逢ったと解釈した方が良かったかも知れませんね。)
つまり、成長した自分がいた世界=地球儀にない国と考えるのが自然ではないでしょうか。
先ほど、地球儀にない国は七尾百合子の理想のアイドル像やアイドルとしての成長過程を描いた曲なのではないか?と提起しました。その理想のアイドル像こそが成長した未来の自分なのです。後者の成長過程については既に書きました。
すると新たな疑問が生まれてしまいます。
「地球儀にない国 大陸を旅して もいちど行きたいな」
もう一度行きたいな。普段は行けないけど機会があったら行きたいというニュアンスに聞こえせんか?私は聞こえます。
- 妄想で地球儀にない国に行けるならいつでも行けるのでは…?
と疑問に思いました。なので最後にここの歌詞を上手く(都合よく)解釈して独り言を終わりにしたいと思います。
七尾百合子が地球儀にない国に行きたがる理由。
「大陸」に着目します。"大陸を旅してから"地球儀にない国に行きたい。つまり、"プロデューサーや仲間に支えられ成長してから"未来の自分に逢いたいわけです。
現時点で何度も妄想で地球儀にない国に行っても楽しくありません。何故なら彼女の妄想にも限界があるからです。今より歌もダンスも上達してステージに立つ姿を妄想をすることは比較的簡単かもしれません。しかし、まだまだアイドルとして未完成な彼女には、未来の自分がどういう心情でステージに立っているのか?何を目指しているのか?ステージでどのような景色を見ているのか?そういった内面的な成長や心理状態を妄想するのが難しいのです。
それを解決に導くのが大陸。大陸を旅して(成長して)から地球儀にない国へ行くと見える世界が変わるのです。ダンスなどの技術の成長や心理的成長を遂げた七尾百合子はまたひとつトップアイドルに近づきます。その状態で未来の自分の妄想をすると、前よりまた1歩成長した自分が見られる訳です。そういう訳で七尾百合子は「大陸を旅してから地球儀にない国に行きたい」と歌っています。
おしまい
感想
2000字に収めるつもりが倍以上になってしまいました。それだけ色々なことを考えさせてくれる七尾百合子さんの楽曲は非常に深く、彼女の想いが溢れているのだなと嬉しく思いました。
かなり頑張ってしまい(当社比)次へのハードルが上がってしまいましたね😇
話は変わりますが、50回再生したあたりからだんだん泣き曲に変わってくるのでみなさんも是非聴き込んで下さいね。/§*'ヮ')