好きなグループが活動休止した話
こんばんは。はらしです。
今年も1年お疲れ様でした。
去年や一昨年ほどインパクトのある出来事(=ブログのネタ)は今後ないと踏んでいたのだが、俺の見通しが甘かった。オタクとしての成長あり、感情の浮き沈みありの、色んな意味で忙しい1年だったように感じる。その中でも、タイトルの通り俺の歴史に残るデカい出来事があったので、それについて軽く振り返っておこうと思う。最後まで読んで頂けたらとてもうれしい。
On the treat Super Seasonが活動休止した。
俺が1番最初にハマったグループで、生まれて初めてチェキを撮ったアイドルのいるグループでもある。
終焉はこうも簡単に訪れるらしい。予兆なく突然休止が発表された。複数メンバーから卒業の申し出があり、体制の立て直しのための休止だった(多分)。休止とは言え、アイドル自体を卒業あるいは事務所から退所するメンバーもいるため、グループがバラバラになることに変わりはなかった。
発表当時は実感が湧かなかった。と言うより、実感が湧かないようにしていた。自分の感情を動かすことがあまり得意でない自称平穏な性格の俺にとって推しグループの休止はあまりにもダメージが大きく、壊れてしまいかねない。まだ2,3ヶ月あるし大丈夫だろ、1つくらい好きなグループがなくなっても大丈夫だろ、そう自分に言い聞かせ、あまり考えないようにしていた。
…いや、それではダメだ。大好きなグループだからこそ逃げずに全部受け止めて、真摯に向き合わなきゃいけない。グループの終わりをこの目で見られることは幸せなことなんだよ。しかもラストの舞台はTIFときた。絶好の晴れ舞台を悔いなく迎えたい。その方が俺は心置き無くオタクとして死ねると思った。
On the treat Super Season(以下、🍣)は俺にとって唯一無二のグループである。ライブが楽しいのは勿論、数多くの新しい体験をしてオタクとしての成長した場所だ。想い出を振り返るとキリがない。俺はこのグループの終わりをおとなしく迎えたくはないと思った。残された時間はいつも以上にライブでぶち上がり、ひとつでも多く爪痕となるような想い出を作ってやろうと考えた。
その日からは🍣最優先で行動した。仕事の都合で行けない日以外は極力顔を出し、普段は1,2枚しか撮らないチェキも少し数を増やした。ライブ中においても推しのパートは全部リフト上がるようにしたり、得意では無いハーコーに参加したりするようにもなった。ツーステもこの辺りで習得したんだっけな。一つ一つのライブにとにかく全力で臨むようになった。
こんだけ汗かくライブは他にない。
襟くっそ引っ張られて伸びた。
休止発表から約1ヶ月後の6月下旬、🍣最後のワンマンライブがあった。この日で5人中2人が卒業し、残る3人は8月上旬のTIFで卒業という形であった。
満員のWOMB。いつも通り楽しむことしか考えてない大好きな🍣のオタクたち。ライブの規制も一切なく、ダイバーキャッチもいるというこれ以上ない豪華なライブだ。
た、楽しすぎる…。空きスペースがなく、常におしくらまんじゅう状態でのリフトサーフモッシュ。オタクレベルを徐々に上げていた俺はこの状況でも十分に対応出来た。リフトはもう数え切れないくらい、サーフにおいても10回以上はした。最高記録。ダイバーキャッチのお兄さん、いつもありがとう。サーフは背中から落ちてめっちゃ痛いし、知らない間にできた切り傷も染みる。嗚呼、気持ちよすぎる。これがライブだ。デビュー当時から変わらないスタイルを貫いてきた🍣の至高の姿だ。そんなライブを作り上げるいちオタクとして参加できたことが本当に嬉しかった。
https://x.com/oss_antvox/status/1672967373295607809?s=46&t=NVIRXnmXp2W6hfj72U9Mew
楽しい時間が終わってしまった。全てを出し切って燃え尽きた……かと思いきや、俺の心はまだ燃えていた。こんな最高のグループは他にない。最期まで真剣に推したい気持ちがより強くなった。幸いなことに推しメンもまだいるし。
ここまで来ると完全に吹っ切れていた。終わったら悲しいだなんてそんなん知らん。今を全力で楽しんで全力で推せればそれでいいんだ。さあ、あと1ヶ月どんな姿を見せてくれるのかな!楽しみ!!!
3人体制になるということは当然歌うパートは増えるし立ち位置も変わる。負担が急に増える分、曲数は絞るのかと思いきや、なんと20曲全部を3人用バージョンでレッスンしてるらしい。それに加え、衣装も新しくなった。残り1ヶ月、消化試合ではなく、全力でオタクを楽しませようとぶつかって来てくれる姿が本当に嬉しかった。
ぼく「あのパートとあのパートがこぐまに回ってきたらアツいな〜」
こぐま「さあどうだろうね〜」
後日ぼく「本当にこぐまのパートになっとるやんけ!!!!」
なんてこともあった。
そこからTIFまで本当に楽しかった。上記以外に大きな変化があった訳では無いが、ひとつひとつのライブに自分も周りもメンバーもフルパワーで参加していたあの期間は、今思い返しても本当に幸せだった。終わりの見えているグループを全力で推すことに快感を覚えてる自分もいた。知らぬ間にTシャツに誰かの血がガッツリ付いてたり、全曲ライブで死ぬほど柵立ちしたり、オタクが勝手に作った結成2周年祝いのクソデカ横断幕をリフト2機で掲げたりなど、密度濃かったな〜〜〜
最期の日が来た。意外なことに俺は落ち着いていた。今日も全力で楽しむ。ただそれだけ。ステージはSKY STAGEとDoll Factoryの2公演。どんな曲が聴けるのか、どんなパフォーマンスをぶつけてくれるのか楽しみだった。
SKY STAGE
ロケーションも良く、こんなにも大きな舞台でパフォーマンスする🍣を見ることが新鮮だった。メンバー全員がTIF未経験だったこともあり、いつもより気合いが入っているように見えた。肝心の俺はと言うと、曲が進む度に「あぁ、この曲を聞くのはこれで最後なんだな」と哀愁に浸ってしまっていた。俺の感情に呼応するかのように、雨が強くなってきた。だがそんなことよりも1秒でも長く音楽と推しメンを感じていたかったので、あまり気にならなかった。
数日前
こぐま「最後の曲なんだと思う?」
ぼく「スカイステージはstay glowかな」
当たった。曲自体の強さが際立つかと思いきや歌詞が本当に良い曲。心に沁みた。一筋縄ではいかないグループ活動だったし俺自身もよく感情の起伏が生まれるグループだったけど、こうしてようやく大きな舞台に立てたことに対して、歌詞を重ねて聴いていた。いやあマジでいい曲なんだよこれ。
Doll Factory
🍣の最期として本当に相応しいライブだった。サーフ、ハーコー、Wall of Death、🍣の日常に近い光景が広がっていた(つまみ出されてたけど)。その中でも特にshake it now!!!!!!とRUNが楽しかった。普段のライブと変わったことをした訳では無いが、この日は特段と規模がでかかった。RUNでここまでのクソデカサークルモッシュは初めて見たかもしれない。ボンズくん(セキュリティ会社のスタッフ)を蹴散らしながら笑顔で走り回るオタクの姿に見て、何だか誇らしい気持ちになった。そうだよ、🍣はめちゃくちゃ楽しいんだ。ここで死んでいいグループなんかじゃない。みんなもっと暴れ散らかしてくれ。最高の御馳走を堪能していってくれ。そして最後はシェキナでのWoD。対岸で待ち構えているオタクの笑顔が今でも忘れられない。俺も負けじと中指を立て、オタクとの戦闘を待った。はぁ…これがライブなんだよな。この気持ち良さのために俺はライブに来ている。自分が全力で楽しみ周りも全力で楽しませるというこの雰囲気が🍣の大好きなところ。楽しかった。ありがとう。そして、さようなら。
終わってしまった。いつも楽しい時間を提供してくれる🍣のライブは本当に素晴らしい。直後にAppare!の大事なライブがあったのだが、どうしても🍣の余韻から抜け出したくなくてブッチした。少なくとも数日は余韻に浸れそうだし、しばらくは喪失感に襲われることも無いんだろうな〜など考えながらTIFを後にした。
しかしそう思ったのも束の間。電車に乗り座った瞬間、急に大漁の涙が溢れてきてしまった。楽しいライブに参加して満足感や充実感を得たはずなのにどうして…?あ、そうだ。もう二度と🍣のライブは見れないんだった。あの楽しかった時間はもう、どう足掻いても帰ってこないんだ。
悲しいのは当たり前だ。2年ちょいのドルオタ人生で一番衝撃的で刺激のある経験を積んだのが🍣だった。今は当たり前に出来るリフトサーフモッシュツーステハーコー(床サーフ柵立ち)だって全部🍣で学んだ。殴られたり蹴っ飛ばしたり首締められたりなど意味の分からない体験も🍣でしか味わったことがない。こんなにも非日常の快感を得られるライブは、ここにしかないのだ。ライブのアレコレが分からない無知で純粋だった俺を心の広いオタクとして育て上げ、今のライブ鑑賞スタイルを作り上げたグループであることに間違いなかった。
後悔だってある。俺は全ての期間同じモチベーションで🍣を追うことが出来なかった。週3,4で通うこともあれば2ヶ月ほど空いてしまうこともあった。この空白の2ヶ月があればどれほど楽しい思いが出来たのだろうか。今喉から手が出るほど求めている🍣のライブを、どうしてこの時の俺は逃してしまったのか。
2ヶ月空いてしまったときも、小熊みらいは優しく迎えてくれた。怒るわけでももっと来いと言うわけでもなく、「元気してるー?」「はらしの声こんなんだったな笑」「あっぱれどんな感じなのー?」と俺に寄り添った対応をしてくれたことが嬉しかった。さらに有難いことに、俺のツイートも隈無くしっかり監視してくれてたようで話も弾んだ。アイドルという仕事をする上で当たり前なのかもしれないが、俺にとってはとにかく嬉しかった。それと同時に、いつでも元気いっぱいでテンションが高くて目が線になるくらいの顔で笑う推しメンを、本当に大切にしなければいけないと思った。
そんな想い出や後悔にも溢れたグループを失った俺は、ひたすら咽び泣くことしか出来なかった。タオル(推しメンの生誕グッズ)は大量の涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。
電車内で30分くらいは泣いたと思う。少し冷静になったところで、いい大人が人目を気にせず泣いていることに羞恥を覚え我に返った。
また、楽しめる場所を探そう。🍣と似たような楽しみ方できるグループはいくつか知っている。オタクを辞める気は無いし、きっとすぐいい場所が見つかるはず。
昨年、一昨年の記事にも名前を出しているAppare!やネオジャポは今も俺の推しグループとして健在している。この2つで俺の寂しさを埋められるかと言われるとそれは絶対に出来ない。何故なら、俺はそれぞれのグループにそれぞれ別の楽しみ方を求めているからだ。簡単にまとめると、Appare!は振りコピ、ネオジャポは歌声やダンスパフォーマンス、そして🍣は自由度の高いリフトやモッシュを目当てとして出向いてる。つまり何が言いたいかというと、🍣で発散していたライブ欲は、違う楽しみ方を求めている他の2グループでは絶対に発散できないのだ。
TIFから1,2週間ほど経って、身体が🍣に代わるグループを欲してきた。いつまでも落ち込んではいられないし、こんなんでくたばってたらオタクも続けられない。以前から気になっていた場所へこっそりといくつか行ってみた。
結果、やっぱりダメだった。薄々気づいてはいた。好きになれそうなグループなんて簡単に見つかるわけが無い。曲や顔がぶっ刺さりする現場があったとしても、今の自分を構成してきた存在に代わるグループなんてないのだ。僅かな期待を胸に放浪してみたが、それは無駄に終わった。
そこからは毎晩枕を濡らす日々。ごめんそれは盛った。週一くらい。楽曲を聴いたり映像を見たりすると過去の記憶が無限に甦ってくる。「あそこでレス貰いに行ってたな」「このパートでのリフト突っ込みに命かけてたな」「ここでツーステを踏むために沢山練習したな」「あんな楽しいオタクがいたな」。そんな事を考えていると自分でもドン引きするくらい涙が出てくる。めちゃくちゃ命かけて追ってた訳でもないはずなのに。自分の中でここまで存在が大きくなっていることに、亡くなるまで全く気づかなかった。もっと色々遊びたかった。もっと推しメンの顔が見たかった。もっと長い期間、On the treat Super Seasonのオタクを名乗っていたかった。
アイドルオタクという趣味でここまで辛い思いをするとは思わなかった。グループの解散やアイドルの脱退なんて日常の出来事ではあるし、自分の番が回ってくるのも時間の問題だとは思っていた。だが、いざ回ってくると本当に心にくるものがある。今の自分を構成している存在が消えることがこんなにも苦しいとは。はあ。どんなに苦しんでも抜け出せない。新たに好きなグループが沢山出来たとしても、この傷は癒えない。これがアイドルオタクをやるってことなんだなあ。
予兆なく突然脱退するアイドルがいたり、突然解散するグループがあることを考えると、🍣は最高のフィナーレを迎えたグループであることに間違いは無い。最後の最後まで幸せな時間を届けてくれて本当に感謝している。
そう遠くないうちに嬉しい発表もありそうなので、それを心待ちにしながら今日も泣こうと思う。
それではまた、現場で会いましょう。
地下アイドルオタク2年生になった話
こんにちは。はらしです。
毎年恒例にするつもりはないのだが、良い機会なので今年の出来事も振り返っておこうと思う。
激動の昨年に勝るネタなんて……あるんだな、それが。
1年生の頃の話はこちら↓
2021年、俺は地下アイドルのオタクになった。
毎月10-15現場へ行き、現場回しする日だってある。自分から見ても傍から見ても立派な地下アイドルのオタクだ。やべえ時は7日間連続で現場行くこともあった。
はらし on Twitter: "1週間地下生活 1日目 OSS おすし現場で流す汗が世界で1番気持ちいい https://t.co/0AXzTKrhfO" / Twitter
しかしながら、他のオタクと俺では圧倒的に違う部分がある。
ひとつは、特典会への熱量だ。
アイドルのライブには必ず接触イベント、いわゆる特典会がセットになっているのだが、俺にはアイドルとお話したい、チェキを撮りたいという接触欲が乏しかった。
勿論、金銭的理由や、前記事で言ったような地下オタクを見下している気持ちも多少はある。しかしそれ以前の問題で、俺がこの業界に魅力を感じている点は低料金で楽しくなれるコストパフォーマンスの高さである。ライブ1000円で100の快楽だとして、ライブ&特典会3000円で300の快楽には絶対になり得ないのだ。時折声優界隈のライブにも行き満足感に溢れていた自分には、特典会でコスパの悪い快楽を得る必要性を感じなかった。
とは言え、ドルオタってぽいことをしたい気持ちもあるめんどくさいオタクことはらし。On the treat Super Seasonの小熊みらいさんだけは毎回1枚だけチェキ撮影&トークをしに行っている。いつもニヤニヤしててノリノリでお話してくれる彼女にはとても元気を貰える。ほっぺがもちもちで良い。チェキは思い出作りと自分がこの界隈にいる存在証明になるところが魅力だと思う。
魅力的な部分もあることは理解しつつも、ライブのみで十分満足していた俺は他のアイドルの特典会へ行くことはなかった。ほとんど。
ちなみに、ライブ後特典会へ行かずすぐ帰る卍異端オタク君卍は100人中数人いるかどうかレベル。
逸れてきたので次。
2つ目は、最推しグループがないこと。
腰を据えたグループを軸に、フェスや対バン等で興味が出たグループをかじっていくオタクが多い。これに比べ自分は、数多くのライブに行って好きなグループは沢山あるものの、どれが飛び抜けたナンバーワングループなのかは漠然としている。強いて言うならこのグループになるのかな…?いや、遠征するわけでもチェキを撮るわけでもダントツに好きな子がいるわけでもない。最推しを自称するに値するほど熱心なグループがないのだ。
これは真剣にオタクする上ではあまりよろしくない。
アイドルに限ったことでは無いのだが、オタクは自分の中での1番(推し)を決めがち。推しを作ることでオタクとしての存在価値を確立し、モチベーションを無意識に保とうとしているのだ。
しかし、浅瀬でちゃぷちゃぷしている自覚のある俺には胸を張って好きと言えるような人やグループはなく、作る必要性も感じていなかった。
そもそもガチるほど真剣になれるグループには出会えていなかった。
この辺りが俺と他のオタクとの違いだと感じていた。
やはり地下アイドルという存在は自分の趣味や生活の中で+αの存在に過ぎず、現在のキモオタク人生に満足している俺にとっては心の底から本気になれるものでは無かった。だが、別に悪い気はしていない。これが自分と地下アイドル界隈の付き合い方であり、このちょうど良い距離感が心地よいとすら思っていた。本気になると人として終わるし…
…と、ここまでが今年中盤までのはらし。
まあ何が言いたかったかというと、
地下アイドルのオタクをやってるように見えて実はたいしてやってなかった。
そんな俺に革命を起こすグループが現れるとは…
ここからは2022年の振り返り。
印象的だった出来事やAppare!にハマった話まで色々と。
1月
新年早々衝撃的なライブがあった。
1月3日のNEO JAPONISM単独公演。この日は「実験的なイベント」ということで、声出しやリフト、モッシュ等の行為がokの日だった。"心の広い人向け"ライブにも通い慣れてきた俺にとって特別なレギュレーションでは無かったのだが、驚いたのはその熱量と人口密度。
狭い箱にも関わらず、ひとつのパートに対して6機も7機もリフトが上がる。オタクを持ち上げ終えた途端次々に叩かれる肩(リフトしてよね〜の合図)。オタクの汗まみれの服や頭を触ろうが顔で突っ込もうが不快感なんて感じる暇もない。油断したら殺られる…!これは生きるか死ぬか戦いなのだ。そんなオタクの物理的な圧に負けじと上げて上げられ、揉みくちゃになりながらも最前線で戦に挑んでいた。満員電車で人が一斉に好きな動きすると疑似体験出来そう。
その中でも1番の収穫だったのがモッシュ。the Forceという曲が流れた瞬間、フロアが分断した。
(過去のライブ映像より)
え、何?なんか始まるの?強いオタクがここ通ったりするの?なんて呑気なことを考えると、それは突然始まった。
オタク同士互いに指を立てたりなどの挑発を繰り返す中、滝沢ひなのさんのシャウトに合わせ、軍隊同士がぶつかる。押して押され、衝突の嵐。これがモッシュと呼ばれるやつらしい。当然ながら身体は痛いし疲労も半端ない。だがそんなことはどうでもいいくらいに楽しく、周りのオタクもみんな笑顔だった。そう、彼らは別に敵同士なのではなく、共にライブで気持ちよくなるための仲間。尻もちをついたオタクがいれば複数人で手を貸し、私物がなくなったオタクがいればメンバー含めみんなで探す。楽しくて気持ちいいライブを作り上げるための最高の仲間なのだ。
ライブの一体感を肌で感じ、改めてライブっていいなあ…と心から思った。
その結果、
しんだ
頭の上にある地面の湿りはマスク絞ったら出てきた汗。
新年の渋谷の路上はひんやりとしていて、とても気持ちよかった。
3月①
アンスリューム主催対バン、「アンderGround」。
名前からして治安の悪そうなライブで実際その通り。今は亡き渋谷VISIONにて不定期で行われていた(過去形)もので、心の広い人向けのイベント。この日はよくお呼ばれするOn the treat Super Seasonちゃんを始め、お馴染みの仲良しグループが招集されていた。ちなみにレギュは壊さない怪我しない喧嘩しないくらいであとは全部ok。
このイベントは人が多くて楽しいのでほぼ毎回通っているのだが、この日はどこか会場の様子が違う。なんと、最前に金属製の柵が設置されていた。いつもはベルトパーテーションなのに。
まあそんな日もあるだろうとシャンディガフを片手にルンルンで開演を待っていると、「SECURITY」と書かれたTシャツを着たデカいお兄さんが2人、柵の後ろ(柵とステージの間)に立ち始めた。まあそんな日もあるだろうと再び流しつつ、いざライブが始まると、そこには初めて見る面白い光景が広がっていた。
フロアのボルテージも速攻で上がり、早速サーフするオタクが出始めた。するとフロアのオタクらはステージ側に向かってサーフオタクを流し、最終的にはデカいお兄さんがサーフオタクを受け止めて着地させ、再び野に放っていたのだ。
デカいお兄さんらはサーフ受け止め係らしい。そんなんサーフしろと言ってるようなもんじゃねーか!!!!!!とさらに気分が高揚してきたところで、見様見真似で俺もやって見た。
怖すぎて草ァ!
揺れる身体に不安定な足元。俺は今一体どこに居るんだ??????誰かのどこかを蹴っ飛ばしたかもわからん。経験値が足りない俺にはまだ早かったのかもしれない。あとスマホ落としそうで怖い。でも、デカいお兄さんにお姫様抱っこされる気分は悪くなかった。
そういえば今日は土曜日だ。いつにも増して人が多い。リフトを上げ最前に突撃するも、後ろからのオタクの圧がいつもよりエグい。胸元まである柵とオタクに挟まれ、肺の痛みで呼吸が苦しくなるほどであった。そんな中では自分がリフト上がるのもスカることがあり、経験値の低さを痛感した。それどころか、推しへの指差しすらままならない。何度も書くがオタクの圧がすごいので、ベストポジションでの推しへの指差しも厳しく、俺の人差し指の先にはこぐm…ではなくデカいお兄さん…………なんて事もあった。俺はデカいお兄さん推しじゃねえ。小熊みらいさんにアピールしたいだけなんだが。
ライブっていいなあ…
身体の痛みや全身の汗は戦士の証。フロアを盛り上げようとした証であり、自分が全力で楽しんだ証だ。充実感半端ねえ!⤴︎⤴︎⤴︎⤴︎
最近知ったのだが、デカいお兄さんはダイバーキャッチと呼ぶらしい。また会おうな。
3月②
IDORISE!! FESTIVALというライブイベントがあった。各日100組程度が出演するという大規模なもので、先程も名前を出しているNEO JAPONISMやOn the treat Super Seasonなど、興味のあるグループが多数出演するまさに爆アドライブ。あらかじめ回りたいグループや曲をチェックし、入念な準備の元ライブに臨んだ。
こういったライブは知らないグループや曲を発掘できるのが非常に良い。発掘もライブへ行く目当てのひとつとしてる俺は、今回も多数のものを掘り当てた。その中でも1番気になったのが…
Appare!というグループ。
予習として曲は聴いていて、数曲は好きなのがあったものの、そこまで期待していたグループではなかった。では何故気になったのか。それは
横移動楽しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
アイドル界には、アイドルが横に動く動きに合わせてオタクも横に動くという、いわゆる横移動の文化がある。右隣にいたオタクが突然これをやり始め、現場適応力値MAXの俺も同じように横に動いた。
これがとにかく楽しかった。横移動自体が初めてだったわけではないのだが、初見の曲に合わせて知らんオタクと横移動する行為に対して充実感のようなものがあった。後に調べたところ、原宿サニーデイという曲であることがわかった。
ちなみに視界に入るオタクは誰も横移動してなかった。
人類はみな体を動かす行為が好きなのではないだろうか?コロナ禍によって落ち着いていた(?)廃れてきた(?)この横移動文化を俺は救いたい。今後は俺も隣りのオタクを横移動させる側に回りたいし、なんなら隣りのオタクをぶっ飛ばしてでも横移動したい。
この日から俺は横移動のオタクになった。
4月
Appare!の単独ライブ「VS野音 其ノ壱」があった。フェスや対バンで興味が出たグループの単独ライブへ足を運ぶことは俺にとって珍しいことでは無く、ざっと数えても今まで10グループはある。1回行ってそれっきりのこともあれば数回、数ヶ月通ってみるグループなどそれぞれ。
単独へ行くのは意外と重要で、フェスで楽しかったからと言って単独ライブが楽しいとは限らないのだ。そこを見極めライブの取捨選択することがスムーズな推し活に繋がったりする。少し具体的に言うと、現場被りが日常であるドルオタ界隈でよりコスパ良いのいい快楽を得るには、各グループに優先順位をつけておく必要がある。その判断材料として、極力単独ライブへ行っておくべき。
何故単独が楽しいとは限らないのか。それは、フェスのような自グループ以外のファンに見てもらうライブでは「ウケのいい曲」を多く披露するからである。これは悪いことでは無く、他のグループのファンにもより楽しくなってもらうためのごく普通のことだ。
それで、単独に行ったグループを俺は以下の3つに分けている。
- フェス、対バンで見たいグループ
- ↑に加えて単独でも見たいグループ
- おうちで曲だけ聴いてれば満足のグループ
さて、Appare!はどこになるのか?どれくらい続くのか?
アップテンポな曲やキャッチーな曲など楽曲の幅が非常に広くありつつも、それぞれ特徴的なメロディーをしっかりと自グループのものとして落とし込めているのが好印象だった。知ってる曲は勿論、知らない曲も十分に楽しむことが出来た。
その中でも特に気になったのが、Wai Wai ダンスフィーバーという曲。この日が初披露で、全員からの期待の視線の中歌われた。
なんだこれは
ダンスがダサすぎる
振りコピが楽しいとか曲が楽しいとかそんな感想はどうでもいい。サビの振り付けがダサすぎる。ダサすぎワロタ。手を頭上に上げながら両足を交互に90°上げる振り付けが本当にダサい。アイドルは横に足上げんだろ。うわあ………あれ、このダンスいいかもしれない。
そもそも俺はアイドルに"アイドル"を求めていない。アイドルのアイドルっぽくない部分に惚れて地下に埋まってしまった俺にとっては問題となる要素でなく、むしろ加点だ。
俺はAppare!のダンスから目が離せなくなってしまった。振りコピも気持ちよくできる曲が多くて好きだ。もう少し振りコピの精度を上げてまたライブに行こう。そう思えるくらいに楽しかった。
でもまさか翌月にこの上を往く振り付け最ダサ曲が来るとはなあ…
7月①
はらし、初めての深夜ライブへ。
良い子は寝る時間なんだが?
この日はなんと深夜のイベント。深夜って響きだけで楽しくなれそうだなあとワクワクしながら渋谷へ。この時間なのに人いすぎだろ。警備も厳しく、入場時には入念な手荷物チェックがあった。屈強な黒人にカバンの底まで手を入れられお水を取られた。怖すぎ。
深夜なだけあってオタクのテンションがおかしい。みんな泥酔してるしお盆にショットグラスを並べて配り歩いてるオタクもいる。何よりオタクの声がデカすぎる。いつも通りライブのレギュもないので、みんな好きに高まっている。
MIX打ったり振りコピしたり推しジャンしたり最前突っ込んだりなどいつもの光景ではあったが、深夜というだけでいつも以上に楽しい。加えて周りの楽しそうにしてるオタクを見るとさらに楽しくなる。
RUNというフロアをぐるぐる走り回る曲があるのだが、いつもより参加してるオタクが多くて走りがいがあった。深夜には不思議な魔力がある。
他には、よく分からんDJがメンバーの前世の曲を流したり、有名なアイドル曲を流したりする時間もあった。普段のライブじゃやりにくいこと組み込んでくるのは深夜ならでは。DJにリフトするの面白かったね。
また行きたいな。
7月②
はらし、初めての大型野外夏フェスへ。
「超NATSUZOME2022」というデカいイベントがあった。各日100組弱のグループが出るフェスで、クソデカ公園の4箇所にステージがあり好きな位置で好きなグループが見られるという自由度の高いライブだった。
広いスペースで好きな時に高まり休みたい時はその場で寝ながら見てれば良い。快適すぎワロタ。そんな神ライブの中でも1番魅力的な部分は…
全力で振りコピができる
これに尽きる。
この辺りからまあまあAppare!のハマり始めていた俺は、あのクソダサダンスを全力で踊ってやろうと意気込んでいた。と言うのも、Appare!を知るにつれて振りコピのオタクに目覚めてしまったのである。
振りコピはアイドルライブにおいてメジャーな楽しみ方であって、今までもそうして楽しんできた。だが、Appare!の曲の振り付けはマジのマジでダサいものが多く、そんなクソダサ振り付けを"全力で"踊ることに快感を覚えるようになってしまったのだ。
この快感のためには狭いライブハウスでは物足りないこともあり、広々とした場所で伸び伸びと振りコピ出来ることを心待ちにしていた。
いやあ、楽しい…
手を伸ばしても足を上げても誰にも迷惑がかからない。灼熱の太陽が輝く中、俺は全てを解放するかのようにAppare!でくねくね踊った。そして出番が終わると荒い呼吸のままその場で寝転がる。ああ最高。
スペースがあるということは横移動もできる。FES☆TIVEの某極楽や某カンフーで死ぬほど横移動した。
色々なグループに手を出しておいたおかげで、好きなグループ、好きな曲を沢山見れる。それに加え、今回は好きに手足を伸ばして踊れるのだ。これ以上に満足する日は今後ないだろう。どこを切り取っても楽しかった思い出しかない最高の1日だった。
は?
初めて複数枚チェキを撮ってしまった。
もしかして特典会って楽しいのでは…?段々と地下アイドルに求めるものが変化してきている気がする。俺は今まで何故特典会を渋っていたのかわからない。いつも楽しい時間を届けてくれる彼女らに最大限尽くすのは普通のことでは無いだろうか?
7月③
はらし、初めての地下遠征へ。
ありがたいことに、この頃には一緒に行動するお友達ができていた。
1人はでけえオタク。3年以上付き合いのあるオタクで、俺の地下ライブデビューにも付き合ってくれた。その後何回も地下に連れ回すも中々ハマってくれなかったのだが、気づいたらAppare!のオタクになってた。
もう1人は遅刻が定刻のオタク。1月にあった「こはぷれフェス」というアイドルによるカラオケイベントに数合わせで呼んだことがきっかけで色々連れ回していたところ、気づいたらAppare!のオタクになってた。
お仲間が2人出来たところで、なんかノリで名古屋まで来てしまった。あ、Appare!のライブです。
45分のライブのためだけに遠征する意味あるのか?そんなことは分からない。Appare!にハマってから色々と盲目になりつつある。
ライブタイトルは「スーパーサマースプラッシュ」。
タイトルの通り水を使ったライブで、濡れるの覚悟しててね〜の注意書きもあった。まあ濡れると言っても高が知れている。水鉄砲でちゃちゃっと掛けられるくらいだろう。この天気ならすぐ乾いていいね。
入場前にはよく分からん風呂桶を買わされた。
ライブが始まるとあらびっくり。無数の水風船が飛んできた。キャッチしようとすると水が弾けて濡れるし、身体や地面に当たっても水が弾けて濡れる。逃げ道がねえ!!!水を浴びるほどレスを貰えてる気持ちになった。もっと寄越せ。
なんかいっぱい泡も出てきた。
終盤になるとメンバーがステージから降りてフロアの横や後ろまでやって来た。バケツを持って。
なんと面白いことに、2m先にいるアイドルがバケツに水を汲んでオタクに浴びせているではないか。こんな爆レスチャンスはねえと思い、全力で水を掛けられに行った。目には水が入って開けられず、口にはマスクを通り越して水が入ってる。当然、マスクは水浸しで呼吸ができない。そんなのはお構い無しに次々と無数の水が飛んでくる。キャー嬉し〜!!ライブで軽い命の危機を感じることに興奮してる自分がいる。あまりにもこの時間が楽しくて笑いが止まらなかった。
今年1番楽しかった…………
ライブ自体も楽しかったし、遠征や水を浴びるという非日常も合わさって満足度の高い1日だった。
そう言えば、やっと推しが決まった。(クソ重要報告)
お名前は永堀ゆめちゃん。
ミントグリーン担当で、丸顔ピンクヘアーが特徴の小柄な女の子だ。
気が抜けている時は自分の話したことを3秒後には忘れていたり、独特な話し方や言葉選びをしたりする彼女の世界観に魅了されてしまった。ちょっと抜けている子ではあるが、ライブ中は楽曲に合わせてコロコロ表情を変え、特にカッコイイ曲でのキリッとした表情なんかは普段からは想像がつかず、ギャップに殺られてしまうだろう。
外見だと、もちもちのほっぺ、人差し指の形、笑った時の左右非対称の口の形、太いアイライン、細くない太ももあたりが主に好き。本人に言うと引かれそうなので止めましょう☝️
MC中多動なのも可愛い。俺と30cmくらい身長差があるので見上げてくるのも可愛いね。
推しになりましたと伝えられたのは8月。ここまで長いようで短かった。
今年は150前後のライブに行ったらしい。
その中でも特に印象に残ったかつオタクとしての経験値が上がったライブはこの辺だと思う。
他にも初めてTIF(日本最大のアイドルフェス)に行ったり、Appare!の声出しOKライブに行ったり、特典会でアイドルに土下座しながら背中踏んでもらったり、入場特典で紙皿を押し付けられたりなどネタはあるのだが、内容量とインパクトに欠けるのでボツ。後はビーチサンダル限定ライブに行ったり仮装してライブ行ったりもあったなあ。声優ライブも全部楽しかった。
スカスカの内容で良ければこの辺↑の話を全部書いてもいいのだが、筆が遅い俺は疲れ果ててしまった。すまん。
さいごに
ハッキリとした推しグループが生まれ、特典会へちゃんと行くようになったのが今年の成長だ。知り合いも徐々に増えて昨年よりも楽しいドルオタライフを送っているのは間違いない。
数日待てば関東で見られると言うのに、わざわざ遠征までするようになってしまったのは本当に想定外だった。客観的に見ても俺はAppare!に夢中なのかもしれない。
そんな素敵なグループを自分なりに語って記事を締め括ろうと思う。
Appare!の魅力は他でもない、 ライブが楽しいところである。グループの魅力を構成する要素にはメンバーのやる気、顔面の良さ、運営の営業力、曲の魅力、現場の雰囲気(≒オタクのノリ)、特典会での対応などが存在し、これらのバランス感覚によってライブに行きたいかどうかが決まる。面白いことにこれらの要素は独立して存在せず、ひとつの評価が他の要素の評価に影響を及ぼし合ってしまう。例えば、俺は当初Appare!のメンバーに対して可愛いと思っていなかった。しかし、様々なライブで多くの楽しい体験をしたり特典会で楽しくお喋りしたりなど、グループに深く触れて行った結果、今では顔面最強グループちゃんだと感じている。超絶極端な話、顔は良いが興味のないグループより顔は良くないが興味のあるグループの方が顔が良いのだ。そんな顔面最強グループちゃんが俺の大好きな振り付けクソダサ楽曲を踊ったらライブの評価はどうなる?
クソ楽しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
言うまでもなく。
コロナ禍でドルオタになったにしては治安悪めの現場で育ってきた俺が今更推しジャンと振りコピだけで気持ちよくなれるのか?という懸念はあったのだが、何も問題なく楽しめている。何度も言うがAppare!はとにかく振りコピが楽しい。手を伸ばして足を上げて全身を使って踊れる曲が沢山あるので心地の良い疲労感を生む。クソダサ振り付けは視覚的にも楽しい。
単独公演での雰囲気も好きだしフェスなどのデカいライブでピンチケ軍団と戯れるのも好き。
そしてメンバーがやる気に満ち溢れているのが何よりも好き。
そんな沢山の「好き」を届けてくれるAppare!を来年も自分のペースで愛していこうと思っている。
この沼からはしばらく抜けられそうにない。そもそもオタクやるためだけに北海道から南下してきたので抜ける必要も無いがね。声優オタクやるはずが地下アイドルオタクになってしまったのは本当に予想外であったが、俺が楽しいと思えているのでまあ良いだろう。
来年はもっとフェスに行って騒いで遊びたいなあ。あと年越しライブなんかも行けるといいな。
ではまた、現場で。
地下アイドルにハマった話
こんにちは。地下アイドルにハマっていないはらしです。
今年も終わりだけど何か面白い事あったっけか〜と頭の中を巡らせていると2秒で見つけた。いっぱいあった。
昨年は某クソウイルスのせいで全部が上手くいかなかった。何で関東に引っ越してきたんだ????充実したオタクライフを送るためだろ????なんで今日も在宅してんだ????空白の予定と中止を余儀なくされるライブを見て常にそう考えていた。
だが、今年は違った。
ライブがいっぱいあった!
2次元コンテンツの中でもブシロードくんは強かった。D4DJに限っても月一あるいはそれ以上の頻度でライブをしてくれていて、俺にとっての希望でしかなかった。
端からオンライン開催のライブや自主的に中止延期をしているコンテンツに対しては冷笑を浮かべていた。
月一以上のライブに時々遠征。ミリRASD4DJ+αを追う理想のオタクライフに、俺は満足していた。
飽きそうな雰囲気もなかったので、少なくとも今年はこの3大コンテンツが俺の欲を満たしてくれると、そう確信していた。
こうして今振り返ってもまあそれは間違いでは無かったのだけれども、、
人間の欲は底知れない
憧れていた理想が現実になった途端、もう一段階上の理想を追い求めてしまう。入手困難で需要の高いチケットを持っていても座席ガシャの結果に嘆くように、自分でも無意識のうちに更なる充実感を欲するようになっていた。
そんな中、とある曲に出会ってしまった。
5月
人生の分岐点①
TLにいるオタクのNowPlayingを拾って曲集めをすることが多いのだが、この日はNEO JAPONISM(以下ネオジャポ)の「rewind the story」という曲を拾った。
強かった。とても強かった。
性癖である低音響くバチバチ系ロック調の音に加え力強く伸びのある歌声に思わずひっくり返ってしまった。と、ここまではよくある話なのだが、1番驚いたのはアイドル曲であること。アイドルの曲と言えば明るく元気で好き好きキャピキャピのイメージしか無かったので、まるで異世界を覗くかの気分であった。
まあグループによってはそういうバチバチ系の曲が1個くらいあっても不思議ではない。このグループもきっとそうなのだろう。偉いことにサブスクに力を入れてくれているようで、念の為に他の曲も再生してみた。
強かった。とても強かった。
自分の中の常識が覆された。どうやらバチバチ系性癖楽曲ばかり歌うアイドルグループが存在していたらしい。そんで更に偉いことにネオジャポは高頻度で配信ライブを行っており、尚且つ全部アーカイブがあった。興味津々の俺は毎日のように動画を視聴し、つよ曲欲を満たしていた。
曲聴く→動画見ると来て次はどうする?
そう、ライブでしょ。強い音は強い音響で聴いてなんぼよ。
タイミングのいいことに、知ってから約2週間後にライブがあるではないか。お値段なんと1000円!w初めてのジャンルで文化も規模も何もかも全く分からなかったが、無駄に行動力のあった俺は足を運んでみることにした。ついでにオタク誘ったら来てくれてちょっと安心。
初めてライブハウスに来た。120-150人キャパだろうか。分かりにくい入口にタバコ臭い会場、怖そうなお兄さんに顔質の違うオタクたち。好奇心と不安が混じり合い鼓動が速くなる。
結果
楽しかった。最初の印象通り、曲は強く歌も上手かった。1番驚いたのは文化の違い。2次元声優コンテンツとは違い、基本的に腕は上げない。推しのパートや振りコピをする時にしか腕を動かさないらしい。振りコピ文化もD4DJで若干嗜む程度なので不慣れではあったが、初見で分かる範囲でやってみるとまあ楽しかった。予定が合えば暇つぶし程度にまた来てもいいかもしれない。
ここで止まれたら良かったのに
2ヶ月くらいはネオジャポだけで満足していた。無銭ツアーとかやっててクソ偉いな〜〜〜と思いながら時々足を運んでいた。ネオジャポの知名度人気度は地下界で上の下あたり(体感)で、これほどのグループが無銭でライブをすることはほぼ無い。格安で楽しめる趣味を求めていた俺には最適の場所であった。
7月
人生の分岐点②
天才である俺は天才的な閃きをした。
強い曲もっと地下に埋まってるんじゃね?
どうやって検索したかは忘れたが、PRSMIN(ぷりずまいん)という何か強そうなグループをみつけた。今年結成したばかりの新しいグループらしい。
https://music.apple.com/jp/album/prism-incident-by-love/1566260242
↑りんご音楽リンク
3秒だけでいいので「spectrum」のイントロを聴いて欲しい。ネオジャポとはまた違う疾走感のあるメロディーに軽快で心地の良い楽器音、垣間見える治安の悪い曲の雰囲気に惹かれてしまった。ありがたいことに他の曲も無事に刺さり、ウヒョヒョwwwと言わんばかりのキモオタスマイルを浮かべながら曲を聴き漁っていた。
まあ曲は確かに刺さったが、ライブに行くほどではn…
1000円!w
メインコンテンツが6月7月とオンラインライブ2本の現地が1本と若干リアルライブに飢え気味だった俺は行ってみることにした。俺は悪くない。チケ代安いのが悪いのだ。
結果
怖かった。本当に怖かった。
俺が今までいた地下は地下では無かった。知らんオタクと揉みくちゃになって自分が楽しむのは勿論、同時にオタクを楽しませるのがライブなのだ。背中バンバン叩いてきたオタクは怖いオタクでも何でもなく、推しのパートで俺が高まるサポートをしてくれるクソ良い奴だったと後に気づいた。MIXというやつも初めて聞いた。知らない文化に戦いてしまったが、それ以上にこの世界への関心が強かった。クソウイルスで制限のある中、こうした何でもアリのライブは非常に価値ある体験であった。
後ろから来たオタクに潰されそうになったり、振りコピしてたら空中浮遊してるオタクに腕蹴っ飛ばされたりと多少の怪我もある現場だが、楽しそうでええやんで許せる俺は地下適合者なのかもしれない。
(そもそもコロナ前のライブハウスって全部こういう雰囲気なのか?という疑問はまだ解決してない)
ここで止まれたら良かったのに
8月
人生の分岐点③
地下アイドルは単独ライブがそう多くはない。他のグループとの合同ライブ、所謂対バンライブの割合が圧倒的に多い。最初は単独ライブだけ行けばいいやと考えていたが、ライブを欲していた俺は徐々に対バンライブに興味が湧いていた。薬物中毒者かな?
そんな中、ネオジャポがchuLa(ちゅら)というグループと対バンをやるらしい。対バンのチケ代も相場3000円程度と高くは無いので手を出しやすい。このときは後方席(100円)で入場した。後方席とはいえ自由席なのでそこそこ前にツッコめる。
https://twitter.com/h_r_s_p/status/1431825865839558660?s=21
先行がネオジャポ、後攻がchuLaという順番だった。ネオジャポでひと通り遊び終えた俺は全く知らないグループで楽しめるのか不安であった。正直興味無いしこのまま帰ってもいいんじゃね?とすら思っていた。
結果
めちゃめちゃ楽しかった。chuLaの曲は明るくアップテンポなものが多く、初見でも気分が高揚するような音で溢れていた。だが、1番驚いたのはダンスと観客の熟練度。次々に披露される目を惹くようなダイナミックな振り付けの曲と躍動的なオタクたちは、俺の心と身体をぶち上げるのに十分過ぎる刺激であった。
地下の文化にある程度慣れてきていたつもりではあったが、「え!そんなとこまで振りコピする??????」「推しジャンしてるオタク多すぎじゃね??????」と、さらに深い世界を見てしまったような気がした。現場によって全然色が違うのは本当に面白い。
この時ふと思ったのだが、地下アイドルは体力がエグい。ここまで続く動きの多い曲を息一つ乱さず笑顔で歌って踊り切るのは相当しんどいはず。しかし、彼女たちはライブのプロなのだ。ちなみに地下界隈殆どのグループが生歌で、歌詞や指示が見えるカンペ的なモニターはない。セトリも本人たちの頭に入ってる。多分ね。
このライブを通して俺の中で変化したことがあった。
もっと踊りてえ
chuLa現場は振りコピ極めてるマンがエグいくらい多い。理由はいくつか思い当たって、1つはライブ回数がクソ多い。メンバー募集要項に月10-15回ライブあるよーと書いてあり、界隈の中でもかなり多い方。オタクの熟練度が高くても不思議ではない。もう1つは振り付けが分かりやすい。ダイナミックである分細かい部分がそう多くなく、ちょっと動画見て練習すれば出来そうなものが沢山ある。チクチク言葉で言うと、他と比較してダンスが簡単とも言える。
この日をきっかけに振りコピに目覚めたのかもしれない。自分ももっとchuLa曲の振りコピ極めてもっともっとライブを楽しみたいと思った。それと同時に、「強い曲を浴びたい」から「現場で踊りたい」へチェンジしていった。
ここで止まれたら良かったのに
10月
人生の分岐点④
ここまで触れてなかったが、地下アイドルのライブは必ず特典会というものがセットになっている。特典会とはアイドルとチェキを撮ったりお話したり出来るイベントのことで、99%のオタクはこれにも参加する。相場は1000-2000円、接触時間は10秒のものもあれば1分以上のグループもある。
とはいえ、俺はアイドル個人には興味が無く無縁のイベントであった。
俺は楽曲のオタクである。好きな曲を探し求めていた末に立ち寄ったのがたまたまアイドルの曲だったというだけなのだ。決して地下アイドルのオタクではなく、その辺のオタクと一緒にされては困る。アイドルオタクはオタクカーストの中でも底辺に近い。アイドルとチェキ撮って接触してキャッキャしてるキモオタ君よりも自分は上の存在なのだ。
そんな意識もあって敬遠してるイベントであった。
そう、この日までは。
On the treat Super Season(以下OSS)というグループにハマっていた俺はこの日も現場に駆けつけていた。今までは休みの日かつ予定のない日にだけ通っていたのだが、この頃になると平日ライブにも手を伸ばすようになっていた。土日は地下で忙しいので、地下は平日に行くしかないのだ。
この日はbuGG(ばぐ)というグループとのツーマンライブで、いつものように振りコピしたりくねくねしたりして楽しんでいた。対バンは本当に沼。M@STERS OF IDOL WORLDがそこら中で開かれてるのと変わりない。
ライブが終わり、全く知らんグループだったけどくそ楽しかったなーw曲気になるなーwなんて余韻に浸りながらいつも通り即帰宅しようとしていた。だが、このライブハウスは出入口が狭く、客数によっては外に物販列を伸ばすこともよくある為、出るのに少し時間がかかりそうであった。スマホをポチポチしながら待っていると、俺はとんでもないことに気づいてしまった。あれ、ここ物販列じゃね?????やらかした。
帰宅しようと列に並んでいたら間違えてチェキ券を買ってしまった。
何を言ってるんだと思われるかもしれないが書いた通りだ。一瞬の気の迷い。列に気づいた時に抜け出すこともできなくはなかったが、判断が遅かった。いつかは「「「「「社会経験として」」」」」1回体験しておこうとは思っていた特典会。その1回をいつどんな形で使うかきっかけを探していたのかもしれない。完全に事故だったが、ここで使う決心をつけた。
いざ、戦場へ
ステージ上にいたアイドルがオタクと交流している異様な光景。普段の生活では決して顔面が交じり合わないであろう2人組がシート越し数十センチの距離でチェキを撮って会話をしている。そう、俺が今いる場所は地下アイドル現場なのだ。何回も通っていながら改めて実感した。初めての特典会参加にも関わらず、地下現場と言われてスムーズに納得できる光景がそこには広がっていた。
チェキ券購入→アイドルごとの列に整列→チェキ撮影→トークという流れらしい。特に推しという推しを作っていなかったので誰の列に並ぼうか少し考えていると、1人の顔が思い浮かんだ。小熊みらいさん。今日よくレスをくれた人だ。地下はレスが貰えて当たり前の世界ではあるが、自分のオタクにしかレスくれない子もいる。ハイトーンの髪色がマイブームなのと俺のような雑魚オタにも優しそうな顔付きであったのも決め手になった。
https://twitter.com/mirai_oss_/status/1470350303568752641?s=21
列に並んだ。緊張で生きた心地がしなかった。俺には早い、やっぱり止めようか。何度そう思ったことか。
結果
なんも覚えてねえ!w
初対面かつ顔のいい女と1対1でのお話。心臓の音がとても煩かったことだけは覚えている。ニックネーム名乗ったのと何で知ったのかくらいは喋ったのではないだろうか。心の底から楽しいと思える特典会ではなかったが、謎の充実感ともっと平常心で普通の会話がしたいという欲望が俺の頭を駆け巡っていた。特典会はオタク界のキャバクラ。
また、行くか。
社会経験として1人とチェキ撮るのはセーフ。そう言い聞かせながら6日後のライブのチケットを取った。
https://twitter.com/h_r_s_p/status/1451189794126458902?s=21
この日から先はもう察して欲しい。
手を握られて惚れた話、知らんオタクにチェキ奢ってもらった話、レス貰って咳止まらなくなった話、宿題チェキの話、チケット買いすぎてクレカ止まった話、オリオンビールにハマった話など多少語れるネタはあるけれど人生の分岐点とまではいかないため省略。
水は上から下にしか流れない。
イベンターノートさんによると、10月からの3ヶ月間で50現場行ってたらしい。2日で4地下行ったり、3-4日連続で行ったりした日も何度かあった。俺は悪くない。安いのが悪いのだ。
今までハマってきたコンテンツはそこそこ類似していて繋がりのあるハマり方だったのに対し、地下は完全に衝突事故であった。オタクのなうぷれを拾っただけなのに、僅か数ヶ月で地下アイドルとチェキを撮ってキャッキャしてるオタクに成り下がってしまったのだ。
だが、後悔はしていない。「人生楽しい」とツイートするくらいには人生が楽しくてしょうがない。強い曲や楽しい曲、強い音響に顔のいい女、人生に必要な要素はこれだけでいいのかもしれない。
アイドルオタクはクソという偏見も今はそれほど無く、最前管理部以外は基本みんな良い奴だと思っている。隣りあるいは後ろのオタクの推しの魅せ場でしゃがんだりスペースを空けたり等の文化も思いやりに溢れていてとても心地がいい。
秒で過ぎ行く日々。生きがいのある日々。俺が求めるオタクライフは今日も地下によって形成されている。
みんなもオタクのNowPlayingには気をつけて生活してくれ。
地下アイドルにハマったはらしより。
ひっくり返った楽曲大賞 2019
やっほ!はらしだよ〜!
今日は今年披露されてひっくり返った曲について綴っていくお。
注意
・いっぱい現地行ったのでLVはランク外です
・バンドリとアイマスの2コンテンツになります
第5位
9/21:THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!! SPECIAL DAY1
fruity love
偉い。とても偉い。
待ちに待ったSSA公演が始まった。無難にBNTで始まり、HANABI団とりるきゃんがそれぞれその歌を披露していった。
いや、この前見たんやが。
事前にこの公演は再演だよってことは知っていたが、何か物足りなさを感じていた。これ現地に来る意味あるんか…?ディレイでよくね…?
次はどのユニットだろ。それともゲスト来るかな。そう思っていた頃にこの曲である。参りました。俺のSSAはここから始まった。今日はやべえ日になると確信に変えてくれたfruity loveに頭が上がらない。
第4位
2/22:TOKYO MX presents 「BanG Dream! 7th☆LIVE」DAY2:RAISE A SUILEN 「Genesis」
A DECLARATION OF ×××
は?
このつよいきょくはなに。
俺はどうやらとんでもないバンドのライブに来てしまったらしい。最初俺はこのライブに参戦する気はなかったのだが、前日に開催されたRoseliaのライブに行くついでに軽い気持ちで応募したら当たってしまったのだ。のちに俺の人生を変えることになるとは知らずに。
楽曲どころか演者、キャラクターについて1ミリも知らないまま武道館にやってきた俺は、早速1曲目にこいつを浴びせられた。
は?
このつよいきょくはなに。(2回目)
何と言うか、RASのサウンドは魂に響くのだ。カッコイイ、楽しいといった単純な言葉では形容しがたい底力を感じるパフォーマンスに心を射抜かれてしまった。曲がわからない?演者がわからない?そんなことは関係ない。彼女らの歌と演奏には人を引き寄せる力がある。そんなパフォーマンスに、俺はただただ「ヤバい」と言うことしか出来なかった。
映像貼っとくね。
第3位
8/3:Roselia 単独ライブ DAY1:「Flamme」
FIRE BIRD
熱い。顔が燃える。
元々好きな曲ではあったが、炎の演出と相まって大変ぶち上がりになられてしまった。や、だってステージセットのてっぺん近くまで火炎放射してるんだよ?やばない?思わずヷァ゙!!とデカい声が出てしまった。文章だと伝えんのくっそむずいんだけど、とにかく炎はヤバい。まじテンション上がる。あと噴射した瞬間に顔面も燃える。演者と最前ブロックの人絶対顔の皮膚死んだと思う。
第2位
9/21:THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!! SPECIAL DAY1
Flyers!!!
この楽曲の魅力については別記事で書いたので詳しいことは省略。
でもまぁ、目の前でCメロの歌われたらそら泣くよね。ミリオンライブはこの先も安泰だなーと確信めいたものを感じながら泣いてた。
あとハイタッチ。ここまで再現してくるとは正直思わなかった。1人だけ花道をたらたら走っているのを見てあっ…(察し)と覚悟していたのにも関わらず、ハイタッチの瞬間に汚い声を出してしまった。ゲームの時点でア゛ア゛ア゛ァ゙!!!!となっていたのにリアルで見て高まらないわけがないんだよなあ。
第1位
5/19:THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!! Princess STATION DAY2
未来飛行
「今日は未来系ドリーマー」
ライブのさなか、そんな声が脳内に響く。
今日は未来系ドリーマーが披露される日なのだ。
初日のステージを見て、有識者らとそう話していた。
俺自身も今日歌う曲はその方が似合うのではと考えていた。
しかし結果はどうだろう。
天井が見える。
そうだ。俺は今、軟体動物のごとく床にへばりついているのだ。
早く起きなきゃ。
重力に敗北した体を持ち上げる。
するとそこには、俺がずっと見たかった光景が広がっていた。
俺が最初に見た未来飛行はミリ2nd。完璧なパフォーマンスで魅せる彼女に心を奪われた。
次に見た未来飛行はミリ3rd幕張。今まで繋いできたバトンを受け取った彼女が歌詞を噛み締めて歌う姿に心を奪われた。
この2つのステージに共通していることは、「春日未来」であること。声優とキャラの同一視には否定派の俺だが、この時ばかりは完全に春日未来が存在しているように見えた。それほどに彼女は、常に俺がライブで求めている「声優がキャラの魅力を最大限に発揮する事」を成し遂げていたのだ。
いつかその姿を生で見たい。ずっとそう思っていたのだが、直感的に今日は無難に未来系ドリーマーだろうなと薄々感じていた。
裏切られた。
俺の前には待ち望んだ"それ"があった。
細かなパフォーマンスはもう忘れてしまったが、この人が春日未来役でよかったと、体表の細胞が叫んでいた。
ありがとう春日未来
ありがとう山崎はるか
ありがとうミリオンライブ
昨今のミリオンライブと俺
こんばんは、はらしです。
何か色々思ってること溜まってきたのでブログにまとめようかと思います。
簡単に言えばお気持ち表明ですね。
ミリオンライブ。お前は一体どこを目指してるんだ?MTWのその先に何があるんだ?
俺には分からない。
ミリオンライブはユニット量産系アイマスだ。既存のユニットに新しい曲を持ってくるのではなく、新しいユニットに新しい曲を歌わせている。それはいい。今に始まったことじゃないし、それを売りにしていきたいんだろう。だが、今回のMTWはいつもと違う部分がある。今までは「新鮮なメンバーの絡みによる新たな化学反応」がテーマであったのに対し、MTWは「今まで比較的絡みが多かったメンバー同士による化学反応」がテーマになっている。クロノレキシカが発表されたときはアキバのUDX前で「は?乙女ストームと被りすぎじゃん。頭おかしいの?」となっていたが、Xsのメンツが発表されて、俺は上に記述した通りのテーマだと察した。それならいい。運営がちゃんと頭使って考えてくれてるんだったらそれでいい。というか予めCDシリーズのテーマ教えてくれ。よく絡んでいるキャラ同士が同じユニットにいるケースはそう多くない。ユニットを通してまた新たに好きになれる部分が出来るかもしれない。それに、11月末のツアーのメンバー(の一部)が発表されて担当Pも大変喜んでいる。需要にも合致しているのかもしれない。だけどさ、
それ以上にヒリついてるオタクが多すぎる。
というかオタクらが混乱している。「また大人組かよ」「新鮮さがねえな」とヒリヒリした言葉が飛び交っている。そんなつぶやきを見て担当Pもヒリヒリする。負の連鎖。担当と無関係のPは何気なくツイートしてるつもりだろうが、担当Pが見たらどう思う。そりゃ嫌だわな。百瀬莉緒は大人組でありながら、属性などの関係で4Luxuryではない。White Vowsはユニットではない。で、今回は満を持して「大人組」のユニット(詳細がまだなのでわからないが)として歌えるのだ。これには大きな意味を持つ。俺も嬉しい。
でもな、担当外のPがヒリヒリするのも分かってしまう。
冒頭に述べたが、MTWはいつもと違う。「新鮮さ」がテーマであったのに対し、今回は違う。オタクらはそれについて行けてない。オタクらはMTWのテーマに気づけていない。ミリオンライブのPは基本的に、新鮮味のあるユニットが新しい曲を歌うことに魅力を感じている場合が多いように思える。というか、ここに魅力を感じない場合はミリPに向いていないと断言できる。最近気づいたが、俺はミリP向いてないかもしれない。まあそんなことはどうでもよく、いきなり方向性を変えられ、困惑するのはある意味当然とも思える。運営は前もってCDシリーズのテーマを教えてくれ(2回目)。
俺はヒリつき話が好きだ。いや、少し語弊がある。
俺はミリオンライブについて語ってるオタクが好きだ。
ミリオンライブの好きな部分を語っているオタクは勿論、批判しているオタクも好きだ。好きの反対は無関心とよく言う。その通りだ。コンテンツを批判するということは、ミリオンライブ対して少しでも愛を持ち、もっと良いコンテンツになって欲しいと願っているからである。だから不満を口に出してるオタクが好きだ。つい先日、11月末のツアーのあれこれについてのお気持ち表明文が俺のTLに流れてきて、面白いなと感じていたのだが、ラウメンに空リプで「おもしろくねえよ」と言われたことがあった。もしかすると、批判的な意見を持っていたり、批判的なツイートが好きだったりするオタクはそう多くないのかもしれない。だが、俺は不満な部分を持っているし、これからも発信していこうと思う。自分に嘘はつかない。
俺はミリオンライブに対して、こうなって欲しいという理想を持っている。その理想と現実(実際のコンテンツ展開)の乖離を見て頭がハテナになるのは当然だ。それが批判に繋がる。だが、批判する上で、絶対に忘れてはいけないことが2つある。1つ目は自分の思い描くコンテンツ展開になることは絶対に無いということだ。俺は運営ではないし、運営は俺でない。理想との乖離があったとしても、コンテンツを追う身である以上、いつかはそのコンテンツ展開を受け入れねばならない。2つ目はアイマス評論家になりきらないことだ。俺らはあくまでプロデューサーという服を着たファンである。ここはいい、ここはだめ、こうあるべき、と指摘し続け、本来のアイマスの楽しみ方を忘れてしまうことだけは絶対に避けたい。これらは年数を重ねた老害ミリPに多い行動である。俺の高校の同級生は次第にファンから評論家へとなり、最終的にはミリオンライブはもうダメだと言い残して去って行った。
だんだん何を言いたいのか分からなくなってきたから次へ行く。
最初に書いた通り、ミリオンライブが今後何をしていきたいのか俺は分からない。
MTWのドラマパートを聞き終えたのだが、何と言うか「ああ、うん」って感じだった。面白いか面白くないかで言えば、正直面白かった。だけどね、未来が見えなかった。クロノレキシカのミリシタコミュでは「この子、このユニットにいる意味ある??」って思った部分があった。ドラマで意味を見つけようと奮闘したけれども、ただイチャイチャするだけで終わってしまった。まあそこが面白かったんだけど。で、落ち着いて俯瞰すると、また浅いユニットで終わってしまったんだなと感じた。Xsにおいては、ドラマもコミュも同じような内容であり、もう少し何とか出来なかったのか感があった。まあ面白かったけど。果たして本当にユニットにする意味があったのだろうか。こんな浅いお話を見て聞いて、ユニットを好きになる人がいるのだろうか。
ポジティブに考える。ミリオンライブのいい所は、考察の幅が広いところである。先程俺は「この子クロノレキシカにいる意味ある?」と書いた。コミュとドラマで意味を見いだせなかったなら、創ればいい。妄想すればいい。
ミリオンライブはキャラクターの内面についての情報があまりにも少ない。例として、何人か女を挙げる。天空橋朋花。こいつはとんでもなく闇が深い女だ。楽曲やテキストから考察するに、ミリオンライブで1番深い闇と苦しみを背負っていると言える。だが、公式で正解が語られることは無い。この女のことについては俺の書いた別記事を見て欲しい。次。徳川まつり。こいつはマシュマロが嫌いだ。じゃあ何で好きな食べ物を(焼き)マシュマロにしたの?6年経った今でも理由が明かされることは無い。公式からの供給がない以上、考察するしかない。どっかのオタクが考察記事書いてた気がするからそれを見てくれ。次。七尾百合子。俺はこいつの編み込みが好きだ。身なりに気を使い、自分を可愛く見せるため、いつ運命の人が現れてもいいようにするため、こういった理由で編み込みをしていると考えている。需要があれば今度詳しく書く。勿論、公式で理由は語られていない。それどころか、いつから編み込みをし始めたのか、ほどくタイミングは何時なのか、何ひとつ分かっていない。無限にキャラクターの深みについて考えられるのがミリオンライブのいいところの1つだと考えている。しかし、同時に悪いところの1つとも考えている。
隣の畑を見てみよう。そう、シャイニーカラーズだ。10/31からイルミネのイベントが始まった。俺はまだ見られていないのだが、八宮めぐるの過去について語られているらしい。何とびっくり。公式がキャラクターを掘り下げに来ているのだ。俺は芝が青く見えている。俺はミリオンライブのキャラを根っこから知りたい。だが供給がない。かと言って、全員分考察する気にもならない。俺はシャニマスが羨ましい。
少し逸れた。
俺はミリオンライブが今後何をしていきたいのかが分からない。キャラクターに深みをつけるわけでも、新鮮さのあるユニットで化学反応を見るわけでもないのが今回のMTW。正直、やってることが中途半端に思えて仕方ないのだ。Flyers!!!で飛び立った後、どこに向かっているのか。本当に高みを目指せているのか。俺は不安で仕方ない。長々とお気持ち表明してしまったが、俺はやはりミリオンライブが好きだ。今後の展開云々の前に、キャラクターは可愛いしライブは楽しいし楽曲も豊富だ。ミリオンライブが今後どうなろうとも、「好き」という気持ちは絶対に忘れないよう見守っていきたい。
高みを目指して
こんばんは、はらしです。
ミリオン6thツアー追加公演お疲れ様でした。
私は運良く両日チケットを拾うことができて両日参加させていただきました。ミリのライブで自分名義のチケ握れなかったのって実は初で、何だかいつもと違う緊張感を抱えていました。
と、そんなことはどうでもよくて。
今回のライブに参加した私の目的は、地方公演の感動をもう一度味わうことと、Flyers!!!を見ることでした。
地方公演の再演は予想通り素晴らしいパフォーマンスで、現地に行けなかった福岡公演のFairy楽曲には特に圧倒されました。照明の演出やステージ全体を眺めるなど出来まして、現地ならではの見どころを堪能して非常に満足でした。後は「スターエーレーメン!」って叫べて良かった…!
良いところ悪いところ含めて言いたいことは多々ありますが、一言で感想を述べるなら、「再演」というテーマを崩さず適度に新鮮味を加えた絶妙なバランスが良かった、ですかね。
抽象的な気もしますが、私が今日書きたいのはここじゃないのでいいでしょう。
何で今日ブログを綴っているかと言うと、
Flyers!!!めちゃめちゃ良かった!!!
これに尽きます。
私は基本的に全体曲が初見で刺さりません。UNIONやBNT、Dreamingの初披露を見届けてきましたが、どれも曲調微妙だし歌詞もありきたりすぎないか?と思ってしまいます(後にぶっ刺さります)。しかしながら、今回は違いました。担当がセンターにいる補正を抜きにしても、何だか今回の周年曲には、いつもと違う「何か」を感じていました。たまたま好きな曲調だった説もあるのですが、それで終わらせてはつまりません。私が感じた「何か」について考えていくと同時に、Flyers!!!の歌詞からミリオンライブを俯瞰してみようと思います。
と言いましても、全体曲はストレートな歌詞ばかりなので考察という考察をする箇所は正直ないかと思います。今までとこれからのミリオンライブについて適当に書けたらなーなんてなんて♪
全体曲に共通する点
- 今の環境が大好き
- 仲間やプロデューサーへの感謝
- アイドルが大好き
- ステージが大好き
- これからの私
上記のことが詰め込まれているのが全体曲だと思っています。ただ、これら点を平等に取り入れるのではなく、曲に応じて感謝の部分を強調したり、大好きの部分を強調したりと、配分を変えて作られている印象を受けています。そんな中、Flyers!!!はこれからの私、すなわち未来に向けて前進している姿がよく描かれていると感じておりまして、刺さってる要因の1つです。
ミリオンライブは誕生してから6年半、ミリシタにおいても2年という月日が流れました。当然、月日を経てアイドル達は多くの仕事を通じて多くのこと学んできました。そして今も、時に泣いて時に笑い、大好きな仲間と共にひたむきにトップアイドルへの階段を上っています。そんなさなかにリリースされたFlyers!!!。私は歌詞を見て非常に驚きました。こいつら全力疾走どころかトライアスロンしてるぞ!。彼女たち、まだ何も満足していませんでした。前を見るどころか上を見て前進しています。
そんな歌詞の中で私が一番好きな部分はこちら。
2番サビの「まだまだ 知りたいことがたくさん」の部分。
ミリオンライブはアイマスを背負ってるだけあり、よく他アイマスと比較されがちです。アニメ化やライブ会場のキャパ、ゲーム人口云々……幾度となく比較して苦しんでいる方を見てきました。当然私もその1人です。しかしながら、未来を悲観する必要は全くありませんでした。
だって彼女たちは「まだまだ 知りたいことがたくさん」と叫んでくれているから。アイドル達の願いを叶える手助けをするのが俺らオタクの仕事であって、知りたいと言われれば当然、そのために動かねばなりません。彼女たちはひたむきに先へ進んでいるのに、オタクらが勝手に悲観的になるのは余りにもアホらしいし、失礼にあたります。現状のことはどうであれ、無限にプロデュースする気を湧かせてくれるこのフレーズが大好きです。ご飯3杯は食える。何の変哲もない歌詞を脳が勝手に右ストレートとして受け止めてしまうあたり、今までミリオンライブが築き上げたものの大きさをはっきりと感じますね。
UNION!!を経てのFlyers!!!
UNION!!は、ぶつかり合ったり努力を惜しまなかったりした「過去」があったからこそ、最高に輝ける「今」があることを表現している楽曲であるのに対し、Flyers!!!は、仲間と困難を乗り越えてきた「今」があるからこそ、高みを目指して羽ばたいていける確かな「未来」があると予感させます。どちらも「過去」や「今」といった土台が既にしっかりと出来上がっていまして、ミリオンライブは着実に作った道をアイドルが迷いなく駆け抜けていくコンテンツなんだなと思わされました。Flyers!!!のCメロ「強く地面を蹴って長く助走をとった」にもあるよう、6年半(2年)という長い充電期間を経験したミリオンライブ。決してこの期間は無駄ではなく、一つ一つ歩んできた石橋は52人が横1列で走っても壊れない太い道となりつつあります。そんな道をアイドル達が駆け抜け、確かな夢を持って羽ばたいていく未来の様子が目に浮かぶFlyers!!!という曲が私は大好きです。
そう言えば、2017年3月12日、ミリオン4thライブにて坂上陽三さんはこのようなことをお話されていました。
「ミリオンライブは一歩一歩着実に重ねていく。」(確かこんなこと言ってました)
グリマスの人口は減る一方で、ゲーム展開も微妙。集大成を謳っていたこのライブを最後に、ミリオンライブは終了するのではないかという暗い雰囲気が漂っていました(少なくとも私の周りでは)。さらに、追い討ちをかけるようにSideMのアニメ化発表もあり、ミリオンライブがもっと発展して欲しいと強く願っていた私は強がりの笑みしか浮かべることが出来ませんでした。
そこへ4周年PVの公開やミリシタという新ゲームの開始といったデカい情報がぶっ込まれ、加えてガミPからのお話もありました。ただの言い訳のように感じた自分もいたのですが、4thライブの完成度やデケえ発表を見て、「一歩一歩積み重ねる」という言葉は信じるに足りると感じました。
今ふと振り返ってみると、実際この言葉に嘘がなかったことがわかります。経過した時間が一歩一歩を積み重ねさせているのではなく、コンテンツ展開の濃さや我々オタクらの愛(金)があったからこそミリオンライブは発展し、一歩一歩積み重ねられているのです。それ故にUNION!!やFlyers!!!がエモい曲になります。
ちょい逸れてきましたね。
ミリオンライブは確実に開花へ向けて動いています。Flyers!!!はその開花へ向けた始まりの曲と呼んでも良いのではないでしょうか。Cメロ「乗り越えて 来たんだ」とありますが、乗り越えただけで終わらないのがこの曲。今までの経験、大好きな仲間、衰えを知らない好奇心やアイドルへの想い、全てが詰まった"ひゃくぱー"のアイドルたちは、これから曇りない空へFly highしてくれるに違いありません。そんな姿を、これからもずっと見守り続けられたら幸せだなと思いました。
天空橋朋花と鳥籠スクリプチュア
お疲れ様です。はらしです。
今回はTHE IDOLM@STER LIVE THE@TER HARMONY 09 に収録されている鳥籠スクリプチュアについて綴りたいと思います。
天空橋朋花、面白い子ですよね。印象が出会った当時と現在でここまで変わった子は他にいません。大雑把に言うなら、ギャップがありまくるところが彼女の魅力の多くを占めていると思います。
8割は妄想です。どこを信じて信じないかはあなた次第。
まえがき
この楽曲を知る上で、天空橋朋花と彼女を取り巻く環境について知識をつけておこう。なお、考察と関係あるかはわからない模様。
幼い頃からカリスマ的存在であった彼女は憧れや尊敬の眼差しでいつも見られていた。しかし、彼女自身はそう見られているようには感じない。不快なわけではないけれど、信仰に近い目線を向けられているように感じていた。そこで賢い彼女はこう思った。私が聖母となって人々を先導し、宗教のような鳥籠の中の世界を創ったらみんな幸せになれるのではないだろうか、と。普通の人間の思考とは少し離れているかもしれない。だか、人々を笑顔にしたい、幸せにしたい、このような想いの延長線上にある行動である。また、彼女の家はキリスト教であり、自宅に礼拝堂を所有しているほどのお金持ちだ。自分が宗教の祖となることへの抵抗は少なかったのかもしれない。こうして彼女は自分からも周りからも自然に望まれた形で聖母へとなっていった。
“選びなさい”
暗闇から眺めてた
まだあどけないその情熱
望むのなら手招くわテンプテーション
囁き...「此方へおいで」と
「選びなさい」のセリフで始まる曲。何を選ぶのかと言うと、朋花の信仰者(=子豚ちゃん)になるかならないかということ。「まだあどけないその情熱」、すなわち非信仰者や信仰の浅い者に対して幸福をもたらそうと、「此方へおいで」と誘っています。勘違いしないでいただきたいのは、「望むのなら」から分かるように、信仰するかの選択権はあくまで相手側にあること。もし貴方が望むなら歓迎する、というスタンスですね。
聞かせて 残酷な覚悟を
その両手は運び取れるかしら
Mariaは問う「鍵を開ける?」
鳥籠の世界へと―――Fallen cage
「残酷な覚悟」。宗教の信仰は極めて残酷なものであります。それは自由が制限されるものであるからです。宗教を信仰していないと、自分の生き方を自由に決定することができます。しかしこれは簡単なことではなく、人生の選択を間違えてしまったり、自分が突き通した道を踏み外したりすることもよくあることです。一方で宗教を信仰すると、宗教理念によって自由が保証されない代わりに、自分であれこれと考えて行動する必要性が低い状態となります。(まあ、その宗教にもよると思いますが…)。何が言いたいかというと、宗教の信仰は一長一短。どちらにもメリットとデメリットがあり、これが「残酷な覚悟」という訳です。そして聖母である朋花は「鍵を開ける?」と、「鳥籠の世界へと」来るかどうかを尋ねます。「Fallen cage」から察するに、この時点で既に相手は入信を決めているような気がします。
ロザリオの接吻
全てを捧ぐプロセス
偽りの愛など決して赦されはしないの
「ロザリオの接吻」。ロザリオとはマリアへの祈りを繰り返し唱える際に用いる用具及びその祈りのことらしいです(wiki)。ですので、ロザリオへの接吻は朋花に忠誠を誓う、あるいは朋花に認めてもらうことを意味していると言えます。それが「全てを捧ぐプロセス」、すなわち身も心も捧げ、生き方や考え方の全てを朋花に委ねるための過程となります。そして直後に「偽りの愛など決して赦されはしないの」と、信仰心や忠誠心に嘘は赦されないと言い放っています。しかし、これは朋花自身にも言えることなのです。子豚ちゃんへの偽りの愛など赦されないと自分にも言い聞かせているのです。ちなみに「赦す」は特に、罪や責任を免除するという時に使用するそうです。
では何で自分に言い聞かせる必要があるのか。一言述べるなら、プロデューサーという朋花にとってイレギュラーな存在が現れてしまったからです。このことに関して詳しく書こうとするとMaria TrapやSisterについて掘り下げる必要性が出てきてしまうので、今回はグリマスやミリシタのテキストから引っ張って考えていこうと思います。
「私のこと、すごく普通に扱いますよね~。…新鮮ですけど、調子にのっちゃダメですよ~♪」
「私の視線を、独占するつもりですか~?うふふ、世界を敵に回す覚悟があるなら、それもいいですけど。…どうなんですか~?」
親愛度100達成後に追加されるテキストと、親愛度600達成時に見られるテキストです。前者はミリシタにもありました。
今まで普通の扱いを受けたことがなかったことが分かります。出会った数多の人々から崇められて来た彼女にとって、周囲の人間と等しく接するプロデューサーが非常に新鮮かつ脅威であったのです。それが後に朋花の世界観に甚大な影響を及ぼします。自分が普通の扱いを受けることによって、彼女に新しい世界観が生まれる。これは良と悪、どちらの意味でも捉えることができます。いい意味で捉えるなら、心理的成長や視野の拡大。悪い意味で捉えるなら、心の乱れです。自分をただの15歳の少女として扱うプロデューサー、興味をそそられる対象となるのは想像に難くありません。朋花の様々なセリフを見てみると、プロデューサーに対して好印象であることが窺えます。しかしながら、朋花は聖母であります。子豚ちゃんたちに幸福を与え続ける存在でなければなりません。不用意な感情など持ってはいけず、自身の幸福を求めてはならないのです。後者のテキストに書いてあるように、朋花の視線がプロデューサーへ独占されてしまうようなことがあれば、それは世界を敵に回す行為、すなわち子豚ちゃんたちへの裏切りとなってしまいます。プロデューサーへうつつを抜かすことなど決してあってはならないのです。本題に戻りますが、そんな朋花の心の乱れが「偽りの愛など決して赦されはしないの」と自分にも言い聞かせていることに繋がっています。ぶっちゃけプロデューサーと子豚ちゃん、どっちを取ってもバッドエンドです。プロデューサーへの好意も子豚ちゃんへの愛も本物。一方を取ればもう一方への裏切り行為となったり、自分の気持ちに嘘をつくことになります。逃げ道はありません。そういった朋花の闇が全てのソロ曲に見られるため、どれも重々しい楽曲なのです。余談ですが、イベント「大航海!アイドルパイレーツ」にて、七尾百合子氏は朋花のことを闇属性であると言及しています。発言の意図と朋花の闇は関係ありませんが、あながち間違いではないなあと。
キャラ語りは程々にしておいて考察に戻りましょう。と言っても上記の長文にほぼほぼ書いてしまったのですが、朋花はプロデューサーに好意を持ってはいけないから、が答えになります。
そこに存在(あ)るのなら
迷わず護ってあげる
忘れないで
これは貴方に授ける Loving
「そこに存在(あ)るのなら 迷わず護ってあげる」。朋花の信仰者であるならば、みんな等しく愛や加護を与えましょう。老若男女は問わず、ただ信仰者として存在(あ)るだけでそういった特典が授けられるわけですね。続く「忘れないで これは貴方に授ける Loving」は、貴方が受けている無償の寵愛は聖母である私からのもので、それを絶対に忘れてはならない。と解釈します。「偽りの愛など決して赦されはしないの」と「忘れないで これは貴方に授ける Loving」から考えるに、1番のサビは信仰者としてのあるべき姿について描かれているように感じます。
歓びで咽ぶ瞳を見せて…
悲しみに憂う瞳を見せて…
甘やかで苦しい胸の痛みも…
教えてあげる
長くなってきたのでさっさと行きましょう2番です。「歓びで咽ぶ瞳を見せて…」「悲しみに憂う瞳を見せて…」。朋花の使命は子豚ちゃんを増やすことだけではありません。信仰している者全員に等しく祝福を与えるという役目も持ち合わせています。その役目を果たすためにはやはり、信仰者の喜怒哀楽を把握することが必須となってきますので、朋花がじっくりと信仰者たちを眺めている様子であると考えます。また、2つのフレーズに共通しているのは瞳です。目は口ほどに物を言うということわざがありますよね。表情だけで表面的な感情を感じ取るだけではなく、しっかりと瞳を見て深部から信仰者たちを理解しようとする朋花からの愛も感じられます。続く「甘やかで苦しい胸の痛みも… 教えてあげる」。先程、宗教の信仰は一長一短であると書き記しました。そのメリットとデメリットが、それぞれ「甘やか」と「苦しい」と言い表されているのではないかと思います。
羽ばたく自由に飽きて
囚われたいのなら
私のため生きたらいい
鳥籠に包まれて―――Maiden cage
「羽ばたく自由に飽きて 囚われたいのなら」。宗教信仰のメリットである自由な意思決定に飽きてしまったり、残酷な現実を知り人生に失望したりしてしまうと、自ずと不自由(=宗教の信仰)のメリットに興味が湧いてきます。その状態を「囚われたい」と言い表しています。続く「私のため生きたらいい 鳥籠に包まれて」は、羽ばたく自由に飽きたなら、私の創る宗教に入って生きる意味を見つけ、私のために人生を捧げてみない?と勧誘している様子が窺えます。また、鳥籠に包まれるのは入信と同義であると考えます。勿論、1番で書いた「全てを捧ぐプロセス」を終えてから入信するわけですね。締めの「Maiden cage」。Maidenは初めてを意味する形容詞です。よって初めてcage(=鳥籠の世界)へ入ると解釈できますので、1番の「Fallen cage」とほぼ同等の意味として扱っても問題ないかと思います。
跪いてみせて
誰もに見せつけるように
仄暗い礼拝堂(カテドラル)で躯を投げ出して
「跪いてみせて 誰もに見せつけるように」。朋花とその信仰者が対等な関係で無いのは言うまでもありません。この場面は信仰者が宗教への真剣さをアピールしているシーンですが、重要となってくるポイントは「誰もに見せつける」こと。敢えて他の信仰者へと見せつけることによって、自分の信仰の真剣さ、すなわち格の違いをアピールしているのです。客観的に考えて、ただただ心の中で信仰するより、態度や行動に現して信仰する方がその人がより真剣であるように見えるのは明白です。この行為は優越感に浸るただの自己満足に過ぎませんね。「仄暗い礼拝堂で 躯を投げ出して」。躯(からだ)は死骸という意味で多くの場合むくろと読むそうです。宗教の信仰のメリットの一つに、自分であれこれ考えて行動する必要性が低くなることがあると先刻書きました。この状態に至った信仰者のことを躯と言い換えていると考えます。自己の意思決定を行わない人は人間らしいとは言い難く、死骸扱いされるのも不思議なことではありません。また、「投げ出す」は「跪く」を乱暴な形で言い換えていると考えます。
そこに在る心
暴いて 曝け出しなさい
刻まれてる誓い 私は絆と、呼ぶ
「そこに在る心 暴いて曝け出しなさい」。「そこに在る心」とは邪念などのことです。邪念を洗い出し本当の自分を曝け出します。信仰心に偽りの感情があってしまうと朋花との主従関係にヒビが入ってしまい、神聖なものではなくなってしまうためです。朋花はどんな邪念でも受け止めてくれます。邪念の内容がどうこうではなく、全てを曝け出すことが重要なのです。続く「刻まれてる誓い 私は絆と呼ぶ」。誓いは以下に綴る七の誓いのことで、信仰者としての教訓が描かれているものです。これを「絆と呼ぶ」のですが、この誓いを遵守する信仰者たちはみんな同じ宗教に属している仲間と言えますので、絆と言い換えられるわけです。仲間がいるって最高。
天空騎士団七の誓い
一つ、心に信仰を忘れないこと
二つ、労働を惜しまないこと
三つ、精神を鍛えること
四つ、隣人を労ること
五つ、常に相応しくあること
六つ、聖地を敬うこと
七つ、祝福を受け入れること
全ては騎士団の名の下に
そう言えば、曲名の一部であるスクリプチュアの意味について触れていませんでしたね。調べてみたところ、聖書の中にある言葉というニュアンスで使われるそうです。信仰者としての心得を抽象的に示したのが七の誓いであると考えられるので、これがスクリプチュアと言えるでしょう。いくら朋花がどんな人でも受け入れる聖母であっても、多くの人を導き公平な祝福を与える立場である以上は決まりごとがなければなりません。七つのスクリプチュアを簡単にまとめると、仲良く楽しく愛と誇りを持って幸せになりましょう!という感じではないでしょうか。
もし、七の誓いを守ることが出来なければどうなってしまうのか。結論から述べると、何も問題はありません。"天空騎士団"七の誓いなのです。朋花のファンには"天空騎士団"と"子豚ちゃん"の2種類が存在します。一般に朋花の親衛隊のことを天空騎士団と呼びますが、あくまでファンの一種であり、より熱心な方々を指す呼称であると私は考えています。その熱心なファンを自称したり、周囲からそう見なされるための指標がこの七の誓いであるのです。では子豚ちゃんはどういう方々を指すのかというと、これは単に天空騎士団以外のファン、あるいは不特定多数のファンと定義付けていいと思っております。
聞かせて 残酷な覚悟を
その両手は選び取れるかしら
Mariaは問う「鍵を開ける?」
真実の世界へと…
3番「真実の世界」。1番では「鳥籠の世界」でしたが3番は「真実の世界」となっています。「真実の世界」へと朋花は招いており、これは一体何処を示しているのか。1番と2番では主に入信に興味がある人への勧誘、入信した際の心得などが描かれてきました。また、朋花は声をかけただけであって、選択権は相手側が常に有していました。3番でもそれは変わりません。今まではいわばチュートリアルのようなものでした。入信してみて自分に合わないと思ったら抜けることだって出来ますし、朋花も許すでしょう。何が言いたいかというと、「真実の世界」とは入信して日々を過ごしてみた結果、今後貴方が選ぶ貴方の望む世界のことです。朋花はこのまま信仰し続けるのかを改めて問いかけているのです。不本意にも、朋花から離れてしまう者も数多くいるかと思います。しかしそれでいいのです。もし貴方の望む世界に朋花が必要ないと考えるならば、朋花は怒りも追いかけもしません。だって貴方のことを第一に考えているから。聖母になりたくてなったのではなく、なるべくしてなった朋花は、付いてきてくれる人が1人でもいる限り聖母であり続けます。また興味が湧いたら戻っておいで、というくらいの気持ちでいてもおかしくはないと思います。脱線しかけましたが、簡潔に述べるなら量より質に重きを置いていることがわかる歌詞となっています。後の歌詞から推察するに、相手はこのまま信仰を続けることを決めたように思えます。
ロザリオの接吻
流れる血や涙さえ捧ぐこと
未来永劫 約束を交わすの
「流れる血や涙さえ 捧ぐこと」。血も涙も人間にとって欠かすことの出来ない体液であります。そんな命の一部とも呼べる重要なものでさえも朋花に捧ぐのは、それだけ真剣に忠誠を誓い生涯を捧げることを意味しています。また、血が流れる、涙が流れるのはどういったときでしょうか。痛みや悲しみ、喜びを感じたときと答えるのが一般的かと思います。このような感覚や感情ですら全て捧げるとも解釈出来ます。こうして信仰者は心身共に「未来永劫」捧げるという「約束を交わす」のです。
「貴方が全てを捧げるなら、私は貴方を護りましょう…永劫、共にありますよ~?ふふっ。さあ、見せてくださいね…貴方の、覚悟を。」
曲名カードのセリフにも繋がっていますね。
孤独を砕いて
抱きしめ護ってあげる
想う限り
きっと…貴方と在るでしょう Loving
「孤独を砕いて 抱きしめ護ってあげる」。その前にちょっと待って、朋花の叫び声入ってるじゃん。天空橋朋花、破滅へ心の咆哮です。先程も書きましたが、朋花にとってプロデューサーはイレギュラーな存在であり、宗教の存続に悪影響を及ぼす人物であります。プロデューサーへの好意と信仰者への愛の両立は不可能。決して解決することの無い永遠の悩みや葛藤が叫び声に繋がっているわけです。朋花の強い部分が見えるこの曲の、はっきりとわかる朋花の弱さが詰まった非常に重要な部分の一つです。
歌詞に戻ります。とは言っても、1番の「そこに存在(あ)るのなら~」の部分と根本的な伝えたいことが同じですので、再度似たようなことを書くことになるかと。信仰に伴って同じ立場の仲間も大勢おり、無償の恩恵も受けられます。また、信じるものは救われるという言葉のように真面目に信仰さえしていれば、朋花は全てを受け入れ祝福をもたらしてくれます。ですので、聖母からの無償の慈愛は信仰者の孤独を打ち砕くと言えます。そして、朋花を信じて「想う限り」たとえ何処にいようと「貴方と在るでしょう」と続き、楽曲を締めくくっています。
あとがき
まずはここまで読んでいただきありがとうございました。ぼく史上最長の考察文になりました。天空橋朋花は100人のオタクがいれば100通り存在するアイドルであり、私はその中の1人の朋花について長々と綴りました。みなさんの心の中にも天空橋朋花というアイドルがしっかりと存在しているのなら嬉しく思います。しかし残念なことに、朋花について調べていると、検索関連ワードに否定的なものが出てきてしまいます。いやー勿体ない。ミリオンライブは掴みやすいキャラクター性の裏に、良い意味で別の顔を隠している子が多くいらっしゃるように思えます。その別の顔が見抜けなければ、朋花はただのファンを子豚呼ばわりするSっ気のあるキャラクターで終わってしまいます。何が言いたいかというと、私の考察を読んで天空橋朋花というわかりにくいキャラクターを理解する手助けになればいいなと思います。偉そうなこと書いていますが、以上の文章のほとんどは私の妄想でございます。裏の顔が公式で語られることはほぼないと言っていいですので、妄想で補うしかしかないのです。
私自身、楽曲について考えるにあたって朋花のことをめちゃめちゃ調べました。時には公式テキストから、時にはオタクの妄想から自分なりに朋花についての知識を蓄え、私だけの「天空橋朋花」を何となく作り上げることができました。朋花について色々なことを考えるいい機会になり、本当に楽しい執筆でした。ありがとう朋花、ありがとうミリオンライブ。